フィリピンでの病気相談やフィリピン旅行中に実際にあった病気のトラブル、対処法などを紹介します。フィリピンで生活している方や数日でも滞在される方にとって病気はやはり不安なことです。実際私が経験してきたことなど紹介しますので、これからフィリピンで生活しようとする方、フィリピン旅行を考えている方に役に立てれば幸せです。
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フィリピンでよく使われる薬の名称と効用について
2009/07/15
フィリピン薬局での薬の買い方 ー 処方箋の内容と使い方のコツ
こんにちは
さて今日は医者に診てもらい
処方箋をもらった後
それを上手に使う方法を
お伝えしたいと思います。
日本では一般的に診察のあと
すぐ薬がもらえ、その薬の内容や
飲み方などの説明が書かれた紙を
もらえますが、
フィリピンでは医薬分業制なので
医者に診てもらっても、その場で
薬はもらえず、医者が薦める薬の
名前と処方の方法を書いた処方箋を
もらいます。
薬は医者から買うのではなく
その処方箋をつかって薬局から買います。
どこの薬局からも薬を買うことが
できるので、患者さんは自由に薬局を
選ぶことができます。
薬局はそれぞれ独立した店なので
当然競争があり、同じ薬であっても
店によって値段が若干違います。
フィリピンの町中にはRosePharmacy、
Mercury Drugなどの薬局店がたくさんあり
もちろん病院内にも薬局があります。
すこしフィリピンに永く滞在していると
きづくと思いますが
町中でも特に人の多いこじんまりした薬局が
あります。見た目はあまり良くなくても
客が多いところは確実に他の店に比べて
安く薬を売っています。
フィリピン人のひとごみに
もまれても平気な方でしたら
確実に得しますので
そういう店をまわりのフィリピン人に
聞いてみることをお勧めします。
さらに医者が処方する薬のなかには
優先順位があり、
大概一番最初に書かれた薬が一番重要で
例えばその病気を治すための抗生物質など
最初に書きます。
そのあとにつづく薬の中には
ビタミン剤や解熱剤などの
直接病気を治すわけではないが
あったらよいと思われる薬も
含まれますので、
それらのビタミン剤などは
きちんと指定された数量分
買う必要がありません。
フィリピン人はその辺を
よく心得ていますので
無駄な薬に大金は使いません。
医者に処方されたら
きちんとひとつづつ何のための
薬なのか確認する癖をつけてください。
自分で薬を選んで買う習慣のない
日本人にとって またすこし
わかりづらいことですが
フィリピンで売られている薬は
ファッションのバッグや洋服のような
ブランド名と成分名(Generic )があり、
同じ薬の成分と成分量であるにもかかわらず
インド産などの薬(Generic Medicine)は
無名のブランドでとても安く
アメリカ産などの有名ブランドの薬はその2倍から
3倍くらいの値段で売られています。
有名ブランドの薬は薬のテスト使用などを
厳密に合格して売られているものなので
同じ成分と成分量の無名の薬があっても
大概の医者は有名ブランド名で薬を処方します。
ところが私の経験からするとインド産であっても
たとえば解熱剤などはほとんどブランド品と
効果の違いがありません。
その割に値段がかなり違います。
たとえばフィリピンでよく使われる解熱剤の
Paracetamol という成分の薬でブランド品の
Biogesicは一粒約5ペソしますが
ほかの無名のParacetamol薬は一粒1ペソぐらいで
売られています。
ですから信頼性にはすこし欠けますが
お金をなるべく節約したい方は
薬局で買うとき処方箋に書かれた薬の
Generic はあるかと聞いてそれを買うように
すると半額以上の節約ができます。
フィリピンで売られている薬はほとんどが
アメリカ産でとても値段が高いので
処方せれたとおりにすべて買うと
抗生物質一週間分だけで
2000ぺそ以上かかったりします。
くれぐれも値段をよく聞いて
自分の判断で薬を選んで買うことを
お勧めします。
2009/07/13
フィリピンの医療システムと料金について
さてここで少しフィリピンの医療システムについて
話しておきます。
前回も説明しましたが
フィリピンでは病院、医師、検査機関や薬局が
すべて独立しています。
そのため患者さんは病院や医師や検査所を
自分の財布の許容範囲で自由に
選ぶことができます。
逆に言うと医師、病院、検査機関や薬など
それぞれ別々にお金を支払わなければ
なりません。
貧富の差がとても激しいフィリピンでは
薬もろくに買えない日給100ペソの人から
アメリカに日帰りで遊びに行くような金持ちまでいるわけで、
お金によって自由に選択できる医療システムが
できあがったわけです。
この自由がきくシステムは逆に言うと
個人の責任で医療が行われることを意味し
日本で始まったばかりのインフォームドコンセントなどは
こちらではあたりまえのことです。
それぞれが独立した医療システムでは
医者は臨床技術を重要視し、検査はあくまでも
判断した病名の確認のために行うもので
検査で病名を決定する傾向にある日本とは
少しちがいます。
そのためか検査技術の精度は日本のほうが
はるかに上で、細かい内容の診断書は日本特有の
ものだと思います。
ただこちらのシステムで便利な所は
検査は絶対的な診断ではなく
参考でしかないわけで、検査結果が不満であれば
何度でもどこの検査所でも自由に再検査できるわけです.
そしてそれらの検査結果は患者さんの持ち物で
医者にそれらを比べてみてもらい診断してもらえます。
こちらの医者の仕事はあくまでも患者さんが病気を
治すときのアドバイサーであり、患者さんがどこで検査しようが
どこで薬を買ってこようが関係ないわけで、
医者の給料はすべて
その診察したときの診察料だけからでるわけです。
医者が薬を販売することはできず、
処方した薬は患者が個人の責任で買うものなので、
医者が処方薬から直接の利益を
得ることは合法的にはありません。
ですから医者のレベルとともに診察料も比例して上がり、
一回の診察に100ペソとる医者から500ペソとる医者まで
さまざまいるわけで
その辺は確認してから医者を選ぶことをお勧めします。
検査機関も有名大病院所属のところは
それなりに施設が充実しており信頼できる検査結果を
だしてくれますがその分費用も高いわけで、その都度
内容のレベルや費用を確認してください。
薬の料金と得する買い方、病院の入院費と賢い利用のしかたに
ついては次回、順に話していくつもりです。
それではお元気で。
2009/07/11
フィリピンにはやぶ医者が多い???
こんにちは。
さて前回の続きですが
フィリピンの医者は
きちんとした検査もせず、ためしに抗生物質を飲ませて
様子を見るというやぶ医者が多い
というコメントについて
実際この方法は私が患者を診るときにも
よく使います。かと言って私は自分がやぶ医者だとは
思っていません。あたりまえですが(笑)
この辺がよく日本人に誤解されるところですが
フィリピンの医療システムは根本的に
個人全額負担で医療が行われます。
国民保険みたいな ありがたい制度はありません。
ですからどの程度までの検査を要求し
どの程度までの治療をするかは
患者が自分の財布をみて、患者の責任で決めます。
つまり医者は必要最低限の検査と
臨床経験からもっとも妥当だとおもわれる薬を
処方しアドバイスをするのが仕事です。
その医者のアドバイスに従い薬を買うかどうかは
患者さんが自分の責任で決めることで、
もしその薬を飲んでも良くならない場合は
すぐ医者に文句を言いにいくか、
ちがう医者に診てもらいにいきます。
日本の場合、
保険で検査代から薬代まで安くなるので
できる検査はすべてさせ、的確な診断をだしてから
薬を処方します。
ところがフィリピンでは
そんな便利な保険がないのと
アメリカのようにそれぞれの検査がすべて専門化し
独立しているため、その資格を持っている人しか
その特定の検査をすることができません。
たとえばレントゲン写真はレントゲン解析医師、
超音波検査もその資格をもった医師しか
その検査結果の診断書を出すことができません。
ですからあなたを診察した医師が超音波検査や
他の検査を必要とした場合、あなたに検査の名称を
書いた処方箋をわたし、検査結果をもってまた来るように言います。
あなたはその検査をどこかの検査所(Diagnostic Center)か病院で
自分でお金を払ってやってもらい、その検査診断書をもって
先の医師のもとに戻り最終的な診断をくだされ薬を処方されます。
それぞれの検査代は結構高く、特にがんなどを疑うときにする
CT スキャンやMRIなどは10,000ぺそ(約2万円)以上することもあり
普通フィリピン人を相手に診断をしている医師は普段の診察で
そのような高額ですぐに必要ではない検査は患者さんに要求しません。
日本のすばらしいところはそれができるので
がんの早期発見や精密検査による的確な診断を
もらうことができます。
ところがフィリピンではがんの疑いが多少あったとしても
経済的な理由で 医者の知識と臨床経験から
なるべく患者さんに無駄な費用を使わせないように
必要最低限の検査と薬で患者さんのその後の様子を
診ながら治療をしていきます。
そのため最初の診察である程度病名を絞った後
その病気に一番効く薬を処方し、その後経過で
良くならなければ、そこで始めて高額な検査を
要求し再診するのが一般的な治療方法です。
日本人は診察してもらうと
治療方法にたいした違いがなくとも
精密検査でしか得られないような診断名を
もらわないとなかなか満足しません。
しかし
フィリピンでは診断名はあまり重要視せず
その患者を治す治療方法を重要視するので
その違いを日本人には理解していただきたいです。