2009/07/11

フィリピンにはやぶ医者が多い???

こんにちは。


さて前回の続きですが

フィリピンの医者は

きちんとした検査もせず、ためしに抗生物質を飲ませて

様子を見るというやぶ医者が多い

というコメントについて


実際この方法は私が患者を診るときにも

よく使います。かと言って私は自分がやぶ医者だとは

思っていません。あたりまえですが(笑)


この辺がよく日本人に誤解されるところですが

フィリピンの医療システムは根本的に

個人全額負担で医療が行われます。


国民保険みたいな ありがたい制度はありません。


ですからどの程度までの検査を要求し

どの程度までの治療をするかは

患者が自分の財布をみて、患者の責任で決めます。



つまり医者は必要最低限の検査と

臨床経験からもっとも妥当だとおもわれる薬を

処方しアドバイスをするのが仕事です。


その医者のアドバイスに従い薬を買うかどうかは

患者さんが自分の責任で決めることで、

もしその薬を飲んでも良くならない場合は

すぐ医者に文句を言いにいくか、

ちがう医者に診てもらいにいきます。



日本の場合、

保険で検査代から薬代まで安くなるので

できる検査はすべてさせ、的確な診断をだしてから

薬を処方します。


ところがフィリピンでは

そんな便利な保険がないのと

アメリカのようにそれぞれの検査がすべて専門化し

独立しているため、その資格を持っている人しか

その特定の検査をすることができません。


たとえばレントゲン写真はレントゲン解析医師、

超音波検査もその資格をもった医師しか

その検査結果の診断書を出すことができません。


ですからあなたを診察した医師が超音波検査や

他の検査を必要とした場合、あなたに検査の名称を

書いた処方箋をわたし、検査結果をもってまた来るように言います。


あなたはその検査をどこかの検査所(Diagnostic Center)か病院で

自分でお金を払ってやってもらい、その検査診断書をもって

先の医師のもとに戻り最終的な診断をくだされ薬を処方されます。


それぞれの検査代は結構高く、特にがんなどを疑うときにする

CT スキャンやMRIなどは10,000ぺそ(約2万円)以上することもあり

普通フィリピン人を相手に診断をしている医師は普段の診察で

そのような高額ですぐに必要ではない検査は患者さんに要求しません。


日本のすばらしいところはそれができるので

がんの早期発見や精密検査による的確な診断を

もらうことができます。


ところがフィリピンではがんの疑いが多少あったとしても

経済的な理由で 医者の知識と臨床経験から 

なるべく患者さんに無駄な費用を使わせないように

必要最低限の検査と薬で患者さんのその後の様子を

診ながら治療をしていきます。


そのため最初の診察である程度病名を絞った後

その病気に一番効く薬を処方し、その後経過で

良くならなければ、そこで始めて高額な検査を

要求し再診するのが一般的な治療方法です。


日本人は診察してもらうと

治療方法にたいした違いがなくとも

精密検査でしか得られないような診断名を

もらわないとなかなか満足しません。


しかし

フィリピンでは診断名はあまり重要視せず

その患者を治す治療方法を重要視するので

その違いを日本人には理解していただきたいです。

0 件のコメント:

コメントを投稿