2009/08/14

レベルの低いフィリピンの病気の検査

こんにちは

フィリピンで病気になり、医者の指示で
腎臓の超音波検査やCTスキャンなど
体の検査をすることがあるかと思います。

フィリピンの医療制度では医者と検査機関は
それぞれ独立していますので、その検査の指示を
出した医者は検査名を書いた処方箋を患者に渡し
患者さんは自分で検査機関を選んで検査をしてもらうわけです。

そのかわり検査にかかる費用は別払いです。
どこの医者に指示されていても検査を受けるときには
その検査機関に検査費用を払わなければいけません。
そのため検査機関の方も大衆向けの安い所から、
お金持ち目当ての高額検査機関までいろいろあるわけです。

検査機関はそのレベルに雲泥の差があり、
患者は自由に自分の判断で検査機関を選び
検査をしてもらうことができますが
その結果報告が検査機関によって
かなり違ってくることがよくあります。

医者も経験の多い方はその辺の事情を心得ており
患者さんにどこどこの検査機関の方が
信頼できる検査ができるからと薦めることもあります。

そして患者さんが頼めば医者が直接お薦めの
検査機関に連絡し
予約を取ってもらうこともできます。

検査機関のレベルはたいがいその費用と比例して
あがり, かなり最新な設備の整った大きな私立病院内の
検査機関は高額な分だけ
それなりに信頼度があがる傾向にあります。

大きな施設の検査機関は高額の検査費用を払うだけあって、
その検査師も海外で研修を積んできた人が多いようです。

フィリピンの検査師は医者なのですが
患者を診ることはなく、ただ患者さんを機械で検査し、
自分の独断と経験から検査結果を作成し患者に渡すわけです。

この時指示を出した医者が何の病気を疑って、
どこを詳しく検査して欲しいのかという、
かなり重要な医者と検査師の連絡体制が
ここフィリピンではほとんどと言っていいほど
出来ていなく、そのため検査師はただ
一般的な検査をして、かなり重要な病状を
見落とすことがよくあります。

この事情をよく知っているフィリピン人は、
検査結果に不満があると
すぐに他の大きな病院に行ってまた同じ検査をしてもらい
違う結果がでるか試してみます。
そしてそれらの検査結果をもって指示をだした医者の
最終的判断を仰ぐわけです。

実際わたしの患者さんの時も癌を疑って
肺のレントゲン撮影を指示した所、結果は肺結核、
再度の検査を繰り返し癌と判明したケースもありました。

フィリピンでは極一部の金持ちだけが
高額の検査をするわけで
検査師の経験度はあまり高くなく、
研修中に高度の技術を習得しても
それをフィリピンで実際使うことはほとんどなく、
数ミリの疾患も見逃さない
日本の癌検査のレベルとはほど遠いところがあります。

実際の例を紹介すると、フィリピンで腎臓に何かあると
超音波検査で診断され、癌の疑いがあるから
手術したほうが良いという判断に、
その方は日本人でしたのでその検査結果に不満で
緊急に日本に帰り、腎臓の再検査、
結果は腎臓に影があるだけで癌ではないとのこと
結局手術はせずその方は今でも元気にしています。

またある日本人の知り合いがCTスキャンの結果
肝臓に癌があると判明、セブのチョンホア病院で
他の臓器も念入りに調べ転移はないと判明。
日本には保険があるので帰国し日本で手術を受けることに
その際、全臓器の再検査をしてもらったところ、
数ミリの大きさでしたが食道癌と胃癌も発見、
すぐに手術し大事には至りませんでした。
もしフィリピンでしたら食道癌などきづかずに
手遅れになっていたかもしれません。

検査のレベルは日本は世界でも最先端をいっています。
ですから
その日本と中古機器の多いフィリピンを比較すること自体
無理なことなのかもしれません。

過剰にフィリピンの検査機関に不信を募らせるのもなんですが
もし重大な病気で不安な方は日本での再検査をお薦めします。


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